第4回定例議会を終えて

 

こんな感じで12月19日(土)15:00~16:00まで品川ネットの第3回議会報告会を開催します。場所は品川ネットの事務所です。たくさんお話したいことがあります。ぜひお越しください。こちらからの報告だけではなく、皆様の「気になること」もぜひお聞かせください。(2015.11.5)

129日(水)、第4回定例会の最終本会議が行われた。それぞれの委員会に付託されて議論された議案の中で賛否が分かれた案件について、この日改めて採決が行われた。

生活者ネットワークは、

◆「品川区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用および特定個人情報の提供に関する条例」」

◆「品川区立学校設置条例の一部を改正する条例」

◆「小山三丁目地内特別区道路線の認定について」

◆「品川区おもてなし条例」

について反対をした。以下に簡単にその意図をご報告したい。 

「品川区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用および特定個人情報の提供に関する条例」

これは、要するにマイナンバーに関する条例だ。通称マイナンバー法が制定されたことに伴い、品川区に於いて、法律で規定された事務以外の個人番号の利用範囲を定めるとともに、他の機関に特定個人情報を提供する場合における事務の範囲、提供する特定個人情報等を定めるものだ。私が所属する総務委員会に付託された。

 品川区ではすまいるスクールの利用料徴収に関する事務や奨学金の貸し付けに関する事務、私立幼稚園児の保護者への補助金、入園料補助金の交付に関する事務など、また心身障害者福祉タクシー乗車料金助成事務などもマイナンバーの利用範囲になるということだ。利用範囲を表にして示されているが、単純にその表の項目を足し合わせると65項目。1項目が分かれているのもあるからその利用範囲をすぐに具体的に把握するのは一般市民には難しい。条例の施行に必要な事項は別に規則で定められるということで、規則については今後決められていくことになる。

生活者ネットワークはマイナンバー制度そのものに反対であり、したがってそれを前提とするこの条例にも反対した。しかし、反対理由はそれだけではない。その点については改めてご報告したい。 

 「品川区立学校設置条例の一部を改正する条例」

 ご承知の通り品川区には小中一貫校を推進しており、施設も小中一体型にした学校が6校ある。この度、学校教育法が改まり小中をあわせた「義務教育学校」が制度として認められたので、これら6校を義務教育学校という新しい「学校種」とする、という条例だ。

 生活者ネットワークは、施設一体型の「小中一貫校」には問題が多いのではないかと疑問を投げかけてきた。その立場で言えば拙速に新しい制度に変えるべきではなく、きちんとこれまでの検証を行った上で、新しい学校種にするかどうかの検討を行うべきと考える。しかし、品川区は客観的な検証をきちんと行っていない。

 法の改正を理由としているが、この改正はあくまで「小中学校に換えて義務教育学校を置くことができる」とするだけであって、急ぐ必要は全くないのだ。

 また、相変わらずというべきか、議論が「全く」といって良いほどなされていないのも反対の理由だ。議論どころか、地域やPTA、同窓会への説明も不十分であり、本当に「拙速」そのものである。

 この条例案に関しては同僚の田中さやかが反対討論を行っており、ここから全文にアクセスすることができるのでそちらも参照していただきたい。また、この条例に関連して、義務教育学校を前提とした条例改定が4本あり、その条文の中には評価すべき点もあるのだが、義務教育学校を前提としているためそれらにも反対をした。 

「小山三丁目地内特別区道路線の認定について」

これは、武蔵小山駅周辺の再開発に関連するものだ。再開発計画の中に38階建の超高層ビルの建設が予定されており、そのためには道路も広げておく必要がある。そのための区道の認定だ。

田中さやかは武蔵小山の住人であり、商店街の中で仕事をしていたこともある。彼女の元には再開発への不安の声が届いている。建設予定のビルには大きな商業施設も予定されており、「そうなったら商店街は寂れてしまうのではないか?」という声、「そんなビルが建ったらビル風がひどいのでは?ビル風が吹くと年寄りは危なくて歩けない」という不安の声が多い。田中さやかの暮らすマンションの近くにも19階建のビルが建ち、以来ビル風に悩まされている。倍の高さのビルを建てることについてのアセスメントはどれくらいきちんとなされているのか?本当は10月の決算委員会で質問に入れたかったのだが、時間配分の関係で断念した経緯もある。この案件が付託された建設委員会には所属しておらず疑問も質せなかったが、もっと地元に暮らす人々の意見を聞き、環境や地域経済への影響などのアセスメントを丁寧に行うべきと考え反対をした。  

「品川区おもてなし条例」

これは、自民党から案が出された「議員提案条例」である。品川区でも遅ればせながら議会改革の動きがある。「この気運をさらに進めるためにもこれからどんどん議員提案の条例を作っていかなくてはならない、その皮切りとなる条例提出だ」という趣旨の説明を受けた。

 生活者ネットワークとしても議会改革はずっと主張してきたことであり、そもそも区における立法機能は区議会であり、条例を作るのは議会の本来の仕事であるから、議員提案条例も大賛成である。しかしその条例案がこれかと、嘆かわしい。
この条例案は田中さやかの所属する区民委員会に付託されており、そこでのやり取りは田中さやかのページに詳しく載っている。彼女の「怒り」の記事をぜひお読みください! 

以上、反対することが多い議会だった。区長提案に反対を表明する私たちに「完全に野党になったな」の野次。

は?野党!?自治体は二元代表制で、区長と議員はそれぞれ区民によって選ばれ、信任を得ている。議員内閣制をとる国とは違うのに、与党も野党もない…、などとここで説明するのも本来蛇足であろう。二元代表の一方の代表としての誇りはどこへ行った!とこちらこそ言いたいところだ。

生活者ネットワークは二元代表制の議会の議員であることを肝に銘じ、つねに是々非々で緊張感を持って政策議論に臨んでいきたい。

これら議会の顛末は12月19日(土)15:00~16:00に品川ネットで行う議会報告会で報告する予定です。どなたでも参加できますのでお立ち寄りください。お待ちしています。<よしだ・ゆみこ>