議員の厚生年金加入の法整備を求める意見書に反対しました

12月5日最終本会議で議員提案議案第5号に反対討論をしました
11月20日から開会された第4回定例会が16日間会期を経て12月5日に閉会しました。
会期中の11月27日には臨時の本会議が開かれ、134号議案から143号議案が上程されました。これらの議案は、区長・副区長を始め、品川区の行政職員・公立学校や公立幼稚園の職員、会計年度任用職員等様々な立場で働く人々の報酬を改定するための議案です。その中に議員報酬も含まれており、すべて報酬が上がる案でした。臨時本会議の議決は原案のとおり可決となりましたが、品川・生活者ネットワークの吉田 ゆみこは「134号議案 品川区議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例」にのみ反対をしました。
付託された請願陳情審査は委員会ではすべて不採択という結果でしたが、本会議で討論が行われた以下の陳情に賛成しました。
★駅前地区再開発大失敗と、小山三丁目第一地区再開発二の舞いを懸念する陳情
★品川区民の安全と安心のために品川区議会として「リニア新幹線工事中止の決断を求める」決議をあげることを求める陳情
★予算・決算委員会や常任委員会等のライブ配信とアーカイブ動画公開を求める陳情
令和7年第4回定例会 議案と各議員の賛否の状況 ※「多様な人材の地方議会への参画促進を求める意見書」の賛否は2ページの最後
また、最終本会議の議決は原案可決でしたが、品川・生活者ネットワーク吉田ゆみこは、議員提案の「多様な人材の地方議会への参画促進を求める意見書」に反対しました。
以下に最終本会議での討論の全文を掲載しました。ぜひご覧ください。議員提案「多様な人材の地方議会への参画促進を求める意見書」については、多様な人材が政策を決定する地方議会へ参画することには賛同する立場です。しかし具体的な要望の2項目めの後半に「地方議会議員が厚生年金に加入できるための法整備をはかること」を国に求めることには納得できません。少子高齢社会において「公的年金制度」そのものの抜本改正に目をつぶり、市民の負託を受けた議員が市民の窮状を差し置いて、まず「自分たちが厚生年金に加入できる仕組みを求める」というのはいかがなものか。不見識のそしりは免れないと考えます。また議員が厚生年金に加入したときの事業主は品川区であり、保険料負担の原資は区民の税金です。「新たな公費負担」に対して区民の理解が得られるとは思えません。
自民党幹事長より議会運営委員会に原案が示された際、厚生年金加入の一文以外は賛同できる旨の意見は伝え、再考を求めましたが、議会に上程された文案は原案なままでした。こういった経緯も含めて反対しました。
「多様な人材の地方議会への参画促進を求める意見書」への反対討論
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以下反対討論全文
品川・生活者ネットワークの吉田ゆみこ、「多様な人材の地方議会への参画促進を求める意見書」に対し、反対の立場で討論をおこないます。
最初に申し上げておきますが、本意見書が唱える「多様な人材の地方議会への参画促進」という趣旨には賛同しております。そもそも生活者ネットワークは、地域でさまざまな経験を積み上げてきた多様な市民こそが政治に参画することが必要、且つ有意義であると考え、約40年前、普通の市民が選挙に立候補できるしくみをつくり、議員を職業化・特権化しないために議員は交代制というルールで、地方議会に議員を送り出して来ました。政治は普通の市民にとって身近な生活の道具であるべきと考えるからです。ですから、幅広い層の政治参加や、多様な人材が議会に参画できる環境を整えることは重要であるという本意見書の考えには多いに賛同します。 しかし、本意見書の具体的な要望の2項目目後半には、「地方議会議員が厚生年金に加入できるための法整備をはかること」とあります。この項目には到底賛同できません。
しかし、この項目は現在の国民年金の不備を指摘しているのだとも読み取れます。確かに「国民年金」だけでは、とても“老後の安心”にはなり得ないのが現状です。しかし、それは、地方議員だけの問題ではなく、厚生年金に加入できない個人事業主やフリーランスの方々も同様です。国民年金に加入している中から地方議会議員だけが、厚生年金に加入できたほうがよいという正当性は、どこにも見当たりません。 少子高齢社会において、「公的年金制度」そのものの抜本改正は、急務です。そして、それこそが議会、議員の果たすべき責務だと考えます。基本的には国で議論されるべき問題であり、国政政党に所属する皆さまには、国会で議論が進むようご尽力いただきたいと思います。しかし、地方議員といえども、政治を行う立場にある以上、市民の視点から見れば「公的年金制度を再構築すべき立場」に連なっていると言えるのではないでしょうか?その立場にある地方議員が、自分たちを議会に送り出した市民の窮状を差し置いて、まず「自分たちが厚生年金に加入できる仕組みを求める」というのは、いかがなものでしょうか?不見識のそしりは免れないと考えます。
皆さまご承知のとおり、厚生年金は事業主と被保険者の双方が保険料を負担するしくみです。議員が厚生年金に加入したときの事業主は品川区であり、保険料負担の原資は区民の税金です。「新たな公費負担」に対して区民の理解が得られるとは思えません。
この具体的な要望2項目めも、前半の「就業者の9割を会社員等の被用者が占める現状に鑑み、立候補に伴う休暇制度や議員活動のための休暇、任期満了後の復職など、会社員が立候補しやすい環境を整備する」という点は、品川・生活者ネットワークはそういう趣旨の制度を使って議員を登場させた実践例があり、その有効性は実感しているため大いに賛同できます。
つまり、「厚生年金へ地方議会議員が加入できるための法整備を図ること」以外は賛同できる内容の意見書であるため、あらかじめ示された案に対して「厚生年金の項目がなければ賛成できる」旨の意見は申し上げました。しかし、残念ながら提案された意見書は原案のままでした。「厚生年金へ地方議会議員が加入できるための法整備を図ること」は本意見書の一部かもしれませんが、到底容認し難い一文です。
従って品川・生活者ネットワークとしては本意見書には反対を致します。 提出者となられた議員の皆さまには、是非、再考してくださることをよびかけて、品川・生活者ネットワーク 吉田ゆみこの討論といたします。
