高齢社会を豊かに! 経験豊かな世代の力を生かす

 

北品川を遊説ポイントに吉田ゆみこのまちづくりへの提案を訴えています。区政への提案、生活者ネットへのご意見など、いつでもどこでも「ひとこと提案」をお寄せください。

北品川の商店街で遊説をしていた折り、高齢の男性がお声をかけてくださり、ご意見があるという。内容はこうだ。「区の健康診断を受けてその結果を受け取ったが、一つには複写の3枚目なので高齢の自分にはとても読みにくい。二つ目は、結果の数値が並んでいるだけで、それを解説する記述がないのでこの結果を受けてどのように読み取って生かしたらいいのかわからない」ということだった。「きちんと解説をつけ、さらには診断を受けた人を集めて健康指導を行う機会を持つべきだろう」とおっしゃる。

 まったくもって、もっともなご意見として伺った。健康診断は、受けた人がその結果を踏まえてその先の暮らし方に生かしてこそ、受けた意味があるものだし、健康診断を施策化し促した自治体としても医療費の削減につながる。こうしたフォローはしっかりしなくてはいけないと思う。私自身は気がかりなこともあり、人間ドックを利用し費用の一部を区から補助してもらう方法だったので、区の健康診断がどんなふうに結果を知らせてくれるのか確かめていない。すぐにでも確かめてみようと思う。 

お話は、高齢者の健康のことからどんどん広がって、色々と伺う。最後には、「もし機会があるなら、皆さんにこれまでの経験から得た知識を伝えることができる。高齢者の力を活かしてほしい」というご意見だった。なるほど、リタイアされている、いないにかかわらず、高齢者のお一人おひとりがスペシャリストなのだ。これまで様々な経験を積んでこられた方たちの力を活かさなくてはもったいないだろうと思う。 

今までにもご意見を伺いに街を歩いていて、やはり発信の機会を求めている、あるいは蓄積された市民力を活かしたいと望まれる高齢の方にたくさん出会った。お一人は、平和についてだった。今の政府の姿勢を危ぶみ、そういう人たちを選んでしまった国民の時代認識に対する甘さを憂えておられ、「生活者ネットワークとして、平和のことをきちんとやって欲しい」というご意見だった。そして「そういう場があれば、自分も発信したいことがある」ということだった。もうお一人は、手仕事がお好きでいつも色々な小物を作っておられるとか。「いつも何かするように、暇な時間は作らないようにしているのよ」と、明るくお元気の秘訣を教えてくださった。そして、やはり「若い人が知りたいというのなら、教えてあげたいんだけど…」とおっしゃる。 

少子超高齢社会が、ここ品川区でも目前に迫っている。高齢者を支える社会システムの再構築は急務だが、高齢者が多い社会というのは、考えようによっては経験豊かな世代が多いということ。子どもの放課後支援や学習支援に元気な高齢者の皆さんが登場する、ミニデイサービスだって高齢当事者が企画を練ったらずっと楽しいもの、有意義な時空になるに違いない。 

福祉政策を考えるとき、つい「守る対象」として考えてしまいがちだが、それは一面的なとらえ方で失礼な話であろう。私だって世間から見れば高齢の方に分類される。私自身が伝えるべき「経験」と考えるとちょっとまてよ…冷や汗が出てもくるが、それでも、これならどなたかの役に立つかしらと指折ってみたくなる。社会を構成する一員として、自分の力を肯定して社会に還元していきたい、活かしていきたいと思う。 

長く経験を積んでこられた方たちへの敬意をもって、その力を活かす社会。それは若い世代にとっても明るい希望につながると思う。