障がい者の相談支援体制の構築は急務!
前回に引き続き、決算特別委員会で取り上げた問題についてご報告をする。
品川区の障害者福祉は様々な課題を抱えている。第二回定例会の一般質問で指定特定相談事業所の課題について取り上げたが、決算審議では障がい児の相談支援制度について質問した。
障がい児が放課後等デイサービスなどの障害児通所支援制度を利用する場合、法は、一人一人についての障害児支援利用計画作成と定期的なモニタリング実施を求めている。2014年までに全員の計画作成を終えることが前提となっていた。ところが品川区では現在まだ6割のみの計画作成にとどまっている。しかも今年度中に全員の作成は難しいと言う。最初の計画作成がこの状態なのだから、その後の定期的なモニタリングについてはもっと厳しいだろう。子どもたちへの適切な支援が保障されていないことを意味する。
こういう事態を招いた背景のひとつに障がい児の相談窓口が決定的に足りないという現状がある。障害者福祉のしおりには5か所の事業所が掲載されているが、稼働しているのは区の障害者福祉課のみだ。福祉課の中で専門の担当を決めて、計画の相談を行っているというが、1人で100人くらいを担当しているという。これでは丁寧な計画相談を実施するのも難しいのではないか?丁寧な計画作成を進めるためには担当者の負荷も考慮すべきだ。
また、厚労省の定めでは区からの独立性の確保も求められているが、障害者福祉課の中に相談窓口があるというのは独立性の視点からも問題ではないかと質した。担当を分けることで独立を確保しているという答弁だったが、区の担当課の中に相談窓口がある以上、客観的に見て「独立性を確保」については疑問があると言わざるを得ない。
この事態を解決するために、区はしおりに掲載されている4つの事業所が障害児相談支援事業所として稼働できるような施策を早急に実施すべきだ。さらにはもっと民間事業者が相談事業に参入できるよう制度整備を急がなくてはならない。