目黒川をもっときれいな川に~今年も実施!水質調査~
今年も実施! ~目黒川水質調査~
6月7日、品川・生活クラブ運動グループ地域協議会が行った目黒川の水質調査(東京全体の生活クラブ運動グループが協力して継続している活動)に、同じく調査活動を継続実施してきた品川・生活者ネットワークのメンバーとして参加した。品川では、「全国水環境マップ実行委員会」が呼び掛けて行っている全国一斉調査の日に合わせての、この日の調査活動となった。
前日が大雨だったりすると水質が普段と変わってしまい、調査ができなくなるのだが、昨日の雨は影響がでるほどではなく、幸い晴天に恵まれて予定通り調査活動を実施することができた。子どもたちの参加もあって賑やかな調査となった。調査地点は目黒川の森永橋と東海橋の2カ所。例年この地点で行っており、経年変化も観察しようというのが狙い。気温・水温を測り、水の色やにおい、浮遊物の有無などを観察してからのち、川の中ほどからバケツで水をくみ上げ、簡易キットを使ってCOD(化学的酸素要求量)などを測っていく。
そもそも目黒川は、世田谷区三宿を起点(源流は武蔵野台地から発する湧水)に、目黒区、品川区を抜けて東京湾へと注ぐ総延長7.8㎞の二級河川である。昭和初期までは、上流は灌漑水源として、中目黒の船入場あたりから河口までは運河として利用されていた。が、その後の都市化の進展に伴い、各家庭や工場等からの排水路として利用されるようになり、特に目黒区・品川区にかかる下流域において急激に水質が悪化。川底のヘドロや水塊に起因する臭気の発生や水面の白濁化を引き起こすようになっていった。実際、私が子どものころはとても臭く、風向きによっては直線距離で400mくらいは離れている我が家にまでその臭気が漂ってきて、窓を開ける季節には不快な思いをしたものだった。
それゆえ、品川・生活者ネットワークが区議会に初の議席を得た1995年前後は、したがって「目黒川の浄化」は解決に向けるべき重要な政策課題であった。すでに東京都「清流復活事業」により。高度処理水を目黒川へと送水しているほか、品川区と目黒区の共同事業として、「浄化実験」や「水質改善実験」などが行われるなど一定程度の改善が図られ今日に至っているといったところ。とくに品川区に入る下流域では、川に面してマンションが立ち並び、隔世の感がある目黒川。今では、都内の桜の名所とも数えられるようになり、シーズンには花見をしながら河畔をそぞろ歩く人も多く、また観光のための船も昼夜運行されたりしている。
ところで、4月の選挙の折、環境政策を訴えている私に話しかけてきた女性がいらした。「目黒川が臭くて困っている。何とかしてほしい」ということだった。とくに初夏から夏場の一時期がひどいようで(降雨などによって水が撹拌され水底のヘドロが巻き上げられること。合流式下水道の欠陥である雨天時には未処理水があふれ河川に流入することなどが主要因)、近くに住む人にとっては、やはり悩ましい問題ということだ。
さて、この日の調査結果は…。やはりきれいとは言い難いものだった。特に森永橋では、バケツにくみ上げた水はそれほどにおいもなく見た目はきれいなのだが、CODは(簡易キットで調べられる範囲では)一番酸素要求量が高いレベルであることがわかった。ちょっと意外だったのは、森永橋より下流の東海橋の方が、においが強く感じられたのにCODは森永橋地点より少し低かったということだ。橋から橋へ移動する間に潮の流れが変わるなどの影響もあったのかもしれない。どちらにしろ、昔に比べればましになったとは言え、まだまだ川の浄化を進めなければいけないということだ。私たちのライフスタイルを見直すことを含め、それらを訴えていくためにも、市民による実感と、簡単ではあっても客観的な指標を持っての観察はこれからも続けていく意義があると強く感じている。(よしだ・ゆみこ)