新人議員、初めての決算討議に臨む
◆安保法制に反対の集会を開きたい高校生・学生ら 品川ネット訪問!
9月19日未明、参議院で安保関連法案が可決されてしまった。頭からスッと血が引いていくような何とも言えない脱力感に襲われる。
しかし、品川区議会は第3回定例本会議が始まったところであり、これから決算特別委員会も控えている。脱力している暇はない。考えれば、市民の大多数は同じ状況だ。安保関連法案に関心があっても、国の行く末が本当に心配であっても、日々の暮らしの営みは「待ったなし!」で国会の動きを気にしながらも、身近な課題を抱えて暮らしを優先させざるを得ないのが実情なのだと思う。そういう人々といつも同じ目線で区政を見つめ、そして区政に参画していく…、それが生活者ネットと今の私の役割。そう考えて心を奮い立たせた。
そんな時、品川ネット事務所に若い学生さんたちの訪問があった。参議院の特別委員会で法案が可決された後のことだった。安保関連法案に反対の集会を開きたい、というお誘いの訪問! 高校生というメンバーもいた。中の一人は12日のパレードにも参加したという。「あきらめない!」という若者たちの心が嬉しくて、ちょっぴり元気になった。私も頑張らなくては…。
◆第3回定例会(9月17日~)が開会 決算特別委員会が設置されます
そして、もうすぐ決算特別委員会である。2014年度の決算を点検し討議をする大事な場面だ。私がこれまで見てきた決算は、生活協同組合のものである。当然のことながら、今点検している決算は見慣れてきたものとは全く違う。わかってはいるのだが、新人議員としては戸惑いも多く、でも、一方でむしろ興味深くもある。
大きな違いのひとつは、損益計算という考え方がないということだ。一般的な事業では、収入と支出の額をバランスさせる。支出を伴う事業活動によって収入を得る。そして事業行為による収入があって支出もできる。収入と支出を一体で考えるのだが、自治体の収入は直接の事業行為とは別の、税金によるものである。でも、間接的には支出によって区民の暮らしが活発なものになり、結果として税収増につながったり、別の支出を抑える結果につながることもあるはずだ。一生懸命頭を切り替えながら、でもこれまでの活動で培った目線も忘れないようにして資料を点検している。
また、単年度会計という考え方も、自治体会計の特徴だろう。少し以前の、これも生活者ネットと市民運動連携による活動のひとつだが、ごみ減量の運動の一環として、「廃棄物会計」を各自治体に提案する活動に参加していた時、この「単年度会計」が大きな壁となって立ちはだかった、と記憶している(2000年~、生活者ネットのある各自治体で継続実施:「容器包装リサイクル法」の不備=容器包装にかかる拡大生産者責任の不備が、自治体のリサイクル費用負担を圧迫している状況を明らかにした)。単純な例で言うと、パッカー車を買ったりしたとき、減価償却の考え方がないために、その買った年だけ経費が多くなってしまう。廃棄物処理にかかった費用を取り出して会計上に明らかし、経年で点検してごみ減量につなげる、私たちが求めた「廃棄物会計」には無理がある、などと言われてしまい、粘り強く協議を継続した経緯がある。このとき、「自治体もバランスシートを持とう」という動きがあったように記憶している。品川区でも区民に向けて、簡易パンフレットを作成してはいるのだが、「単年度決算」ということと、区民向けのバランスシートの関連性については調査が必要と考えている。現状はどうなっているだろう?
目下のところ、あちらこちらの部署に問い合わせをしたり、区のHPから過去の議事録を検索したりしながら、分厚い資料と格闘しているところだ。ひとつひとつ調べながら、生活者の視線で、そして新人としての目も大事にしながら、しかるべき質問を組み立てていきたいと考えている。(よしだ・ゆみこ)
◆決算特別委員会ほか品川区議会カレンダーは、下記のサイトからどうぞ
http://www.db-search.com/shinagawa/frame12.html
決算特別委員会での質問は一般質問と違い、委員会室で行われます。傍聴は別室で音声のみの傍聴です。それでも、できればぜひ区議会に足を運んで傍聴していただきたいと思います。誰が、どのテーマを採り上げ、どんな発言をするのか? 聴いてみるのも面白いのではないでしょうか?