コミュニケーションボードは宝の持ち腐れ??
9月21日のご報告で、選挙の投票場でのコミュニケーションボードについてご報告した。果たして有効に活用されているのかについて、私自身も区長選挙と区議会議員補欠選挙の投票の機会に確認した。本日はその結果をご報告したい。
私と同僚の田中さやか、そして身近な何人かに呼びかけ、期日前の投票も含めて8ヶ所の投票場の様子が分かった。
8ヶ所中、コミュニケーションボードがその裏面に書かれている通り「ニーズのある人がすぐに気付くよう、受付の机上や受付近くの壁に掲示」されていたのは1ヶ所もなかった。
私とその身近な何人かが投票に行ったところだけがたまたま掲示されていなかった、というのはちょっと考えにくい。おそらくほとんどの投票場で掲示されなかったのではないかと推測できる。
8ヶ所中4ヶ所(内1ヶ所は期日前投票場)では、受付の人に「コミュニケーションボードというものが掲示されることになっているはずだが?」と尋ねた。某期日前投票場で投票された方の話では受付の人はそもそもそれが何のことだかわからなかった様子だったそうだ。奥にいる職員に訊きに行ってくれて、出てきた職員の答えは「ありません」だったという。それ以外の3ヶ所では、受付の人はボードについての認識はあり、別のところに置いてある荷物の中から取り出して見せてくれたということだ。私が行った投票場では、荷物置き場のようなところから封筒を出してきてくれてその中にコミュニケーションボードがしまわれていた。
せっかく選挙管理委員会が聴覚障がい者への配慮として用意したコミュニケーションボード、選挙のために発行された「広報しながわ 臨時号」にも記載されたにもかかわらず大変残念な結果だった。いくら目論見は良くても現場までその意図が徹底されていなければ意味がないという典型的な事例だ。
ただ、8ヶ所中1ヶ所については、このボードは掲示されていなかったものの様々なハンディを抱えた方たちへのサポートを申し出る旨の掲示があったとのこと。その掲示を指さすことによって必要なサポートが分かる内容だったと報告を受けた。これはトップダウン型の支持が無くても現場の人に障がい者配慮の意識があれば対応ができるという事例と言える。
要は意識の問題ではあるが、せっかく税金を使って作成した障がい者への配慮としてのコミュニケーションボードは有効に使われるべきだ。次の選挙ではぜひ有効に使うよう、強く申し入れたい。さらには当事者の方たちに、そのボードの使い勝手なども確かめながら、よりより良い施策につなげていくよう求めていきたい。(よしだ・ゆみこ)