「まち歩き」から見えてくること 高齢社会と公共施設を考える

 

東品川3丁目に配置されている文化センター前で。さまざまな世代の方が 交流しあい、つながりあう場として公共施設の果たす役割はますます重要となっている

某日、東品川周辺の「まち歩き」調査へ。3丁目あたりはマンションがほとんどで、戸建ての家はなかなか見当たらないエリアです。開発によって出来上がり、人が住むようになった街であることが見て取れます。 

シルバーセンターがあった。一緒に歩いているネットのメンバーの話によれば、「お風呂が広く、お年寄りに人気がある施設とのこと。遠くからもバスで通ってくる人が多いらしい」「家ではお風呂を焚かずにここに入りに来る人も多いみたいよ」とのこと。

地域で人がつながる場・情報交換の場であったお風呂屋さんは都市化の波にもまれどんどん姿を消してしまっているし、独り暮らしだったりすれば、1人のためにお風呂をたくよりも安上がり、大きなお風呂の方が気分も良いに違いない。掃除もしなくて済む。お年寄りが一人でお風呂に入るのは不安でもあるだろう…想えば、私の両親もそうだった。

こんな施設が気軽に利用できるのは本当にありがたいだろう。ただ、同じシルバーセンターでも、同じような設備が整っているわけではなく、入浴施設が整備されているのは半数に過ぎない。そう考えると東品川という位置(品川区の中では海に近い端)はちょっと不公平感があるだろうな、と思う。バスがうまく使える人は遠くからでも利用できるが、そうでない人はちょっと難しそうだ。 

冒頭にも書きましたが、比較的最近、開発によってできた街なのでこういう施設がゆったりつくれたのでしょう。既存の街中では同様の施設は難しそう。「せめて近くの駅からコミュニティバスみたいなものができたらね…」。

公共施設の配置には近隣の住人だけでなく、品川区全体からの視野が必要ということ。どうやって関心を広げるかがポイントであり、工夫のしどころということ。公共施設をコミュニティの核のひとつに、目前に迫っている人口減少社会・超高齢社会を、豊かで安心できるものにしたいですね。<よしだ・ゆみこ>