会津電力・雄国発電所を見学 「脱原発・地域発再生可能エネルギーシフト」は可能だ!

2015年8月6日 16時28分 | カテゴリー: 活動報告

 

会津電力(株)雄国太陽光発電所で。小規模分散型が会津電力の方針だが、雄国発電所だけは国の助成を受ける関係で1メガワットのメガソーラー。3740枚の太陽光発電パネルが並ぶさまは壮観だ 7月19日、喜多方市熊倉町

去る719日、会津電力の雄国太陽光発電所の視察に行った(喜多方市熊倉町)。

会津電力株式会社は2011.3.11の東京電力福島原発の事故を契機に、市民の力で立ち上がった電力会社(201381日設立)だ。マスコミに度度取り上げられてきたこともあり、名称、事業概略をご存知の方も多いと思うが、実は原発事故が起るまではあまりエネルギーの重要性に気づいてはいなかったという。よくよく気づいてみれば「エネルギーも食料もすべて中央に持っていかれていた」事実に思い当たり、それまでの道はどこか間違っていたのではないか、と考えた。「脱原発を原発立地県として主張するなら、代わりのエネルギーを考えなくてはいけない。それをやるのは福島の中でも津波の被害も原発事故の被害も比較的少なくて済んだ会津がやらなくては」と立ち上がったということだ。

「国や東電は非難されて然るべきだが、ただ非難するだけでなく、原発を見過ごしてきた地域社会の責任として、太陽光、小水力、木質バイオマス、地熱、風力などの再生可能エネルギーを、他地域から運び込むことなく、まず自分たちが作り出す」という考えのもと、「エネルギー革命によって地域内で資金を循環させ地域の自立をめざす」というのが設立の理念だ。基本的には小規模分散型の発電設備を増やしていくのが方針ということだ。その方がそれぞれの地域の中で資金も循環し、継続的な雇用も生み出せるからだ。

社長の佐藤彌右衛門さんのお話も伺った。佐藤さんは自他ともに認めるロマンチスト、でありながら一方で、大和川酒造のトップとしてシビアな経営者でもあるという両面を併せ持つ方だ。会津電力はその強いリーダーシップと魅力があって生み出されたという側面もあるようだ。その佐藤さんから「節電によってお金を生み出し、それを回すことで再生可能エネルギー事業に取り組むことができるはず。それをみんななかなかやろうとしない」という、お叱りをいただいた。

品川では市民発電所の動きがなかなか生まれない。区内で発電の可能性がイメージできるのは太陽光だが、次々高層マンションの建設が進む品川では「今は発電できても、いつ何時太陽光がさえぎられるかわからない」という危惧があるのかもしれない。しかし、直接発電をするだけがエネルギー自給ではないはずだ、節電によってお金を生み出し、例えば福島の発電事業者と連携することで品川区内に再生可能エネルギーによる電気を導入する事業は可能では? と、私たち生活者ネットワークは考えてきた。佐藤彌右衛門さんのお話は大きな後押しになる内容であった。

私自身、以前から再生可能エネルギーの推進にはたいへん関心があり、これまでの活動の中でも特に力を入れてきた分野だ。会津電力立ち上げの時、単に「原発に替わるエネルギーを生み出す」ことにとどまらず、そのことによって地域内で資金を循環させ、地域の自立をめざすという構想が素晴らしいと思った。福島の応援にもなると考えて「会津ソーラー市民ファンド2014」にささやかながら出資した…そうした経緯があっての、今回の視察である。

小規模分散型が方針の会津電力だが、雄国発電所だけは資源エネルギー庁の補助金を受ける際の条件との関係で1メガワットのメガソーラーとしたそうだ。3740枚のパネルが並ぶ姿は壮観だった! ここには再生可能エネルギー普及啓発のための体験学習施設も併設されているのだが、施設内に出資者の名前を記名したプレートがある。そこに私の名前を発見、思わず撫でてしまった。私の思いはずっとここで生き続けるのだと思って嬉しかった。

今度は品川で、いつかきっと、おおぜいの市民の皆さんと一緒に同じ嬉しさを味わいたい。心からそう思う視察となった。(よしだ・ゆみこ)