熊本・大分地震は続いている! 九州電力川内原発は即時停止を!!

熊本地方、大分地方で14日から発生した地震で被災された皆さまにお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。日を追って明らかにされる被害の甚大さに言葉を失う今日ですが、少しでも早い地震の収束と、皆さまの暮らしの再建を、と祈るばかりです。

熊本・大分地震は続いている!

14日の発生以来、熊本、阿蘇、大分中部と震源域を広げながら、今日なお続いている熊本地震。今回の地震活動は、「本震」の前に大きな「前震」が発生するという過去に例のない展開を見せた。気象庁は14日の時点では、これまでの経験則から、余震の多発に警戒するよう呼びかけるに留まっていた。テレビニュースでも、「今後一週間程度は大きな地震が襲う可能性がある…」と毎日繰り返している。「今後一週間とはいつまでか…」。被災現地の方たちは、気を緩めることができないまま多大なストレスを抱えながら日々を送っておられることだろう。22日の日本経済新聞では「未知の連鎖」という見出しとともに、文中には「もはや従来の常識は通用しなかった」とも表現している。

「福島原発事故から5年 チェルノブイリ事故から30年 つながろう福島! 守ろういのち!」をテーマに・26全国集会が、代々木公園を会場に開催。福島原発事故から5年をむかえたこの日、フクシマの現実の声を聞き、私たちが何をすべきで、何ができるのか 共に考える機会となった。原発はいらない! 川内原発とめろ!

「福島原発事故から5年 チェルノブイリ事故から30年 つながろう福島! 守ろういのち!」をテーマに・26全国集会が、代々木公園を会場に開催。福島原発事故から5年をむかえたこの日、フクシマの現実の声を聞き、私たちが何をすべきで、何ができるのか 共に考える機会となった。原発はいらない! 川内原発とめろ!

この事態に、地震学者の島村英紀さんは、報道インタビューに応えて次のように発現している。「ほとんどの地震は、『本震・余震型』と推移するが、この他に『双子型』や『群発型』言われるタイプがあり、今回の地震は双子型だった可能性が高い。今後によっては大きな地震が3つ以上発生する群発型になる可能性もある」と分析。重ねて、「そもそも今回の地震は、有史以来記録が無い、本州から九州に達する大断層・中央構造線が動いた最初の地震。地震の活動期にある中、南海トラフに何らかの動きがあり、九州の活断層に影響を与え、結果、隈本地震が発生。阿蘇の小噴火をも引き起こした可能性も否定できない」と、指摘されている。なるほど、報道が伝える深刻な事態の、そのわけはこういうことだったかと思う。

未曾有の被害をもたらした東日本大震災と同様、大災害をもたらした今回の一連の地震動・・・大自然の力を改めて見せつけられ、人間はその中で何とか共存していくしかないのだということを改めて思い知らされる。古来人はそうやって時に自然を恐れ、一方で多くの恵みを受けながら、自然と寄り添って生きてきたのだ。

九州電力川内原発は即時停止を!!

そう考えると、やはり原発は自然とともに共存できるような代物ではない。特に、環太平洋地震帯に位置する火山列島・日本には存在すべきではないと言わざるを得ないのだ。

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そして、この状況に及んでなお川内原発を停止する判断に至らない政府の在りように憤りとともに愚かしさを感じる。安倍政権は、川内原発を停止しない理由について、原子力規制委員会の判断による、としているが、その根拠たるや、「再稼働に向けた安全審査の中で、マグニチュード(M8.1)の揺れを上回ったとしても耐えうる対策を課している」からなのだと言う。しかし、今回の地震は「未知の連鎖」で経験則は通用せず、群発地震の様相さえ呈しているではないか。先述の報道紙面には、「M7級の地震をきっかけに九州を横切るほどの規模で震源域が広がるのは『見たことがない現象』。日奈久断層帯の南西側などで、さらに大地震が起きる懸念も大だ(京都大学:飯尾能久教授)」、と指摘する記事もあった。そうである以上、これまでの「経験則」や「科学的常識」という根拠が、予想を上回る自然の猛威にどれだけ通用するものか、立ち止まって考察すべきではないか。

テレビ画面には、折々に「原発は異常なし」のテロップが流れている。そのことに何の意味があるのかと腹立たしい。原発システムは、その性質上、「異常」の報告があった時はすでに手遅れだ。川内原発は即時停止すべきだということを、もう一度、何度でも声を大にして言いたい。(よしだ・ゆみこ)