品川区は区民の反対意見を都や国に報告すべき!~羽田新ルート計画問題報告~その②
現在、品川区は第4回定例議会の最中であるが、本日は先月11月に行われた2017年度決算特別委員会での質疑から羽田新ルート問題についてご報告する。
これまでも何度かご報告をしてきたとおり、生活者ネットワークは羽田新ルートには一貫して反対の立場で区に対して発言をし、議会の中でも主張してきた。最初はなかなか賛同を得ることができなかったが、議会の中でも少しずつ「新ルート撤回!」に賛同する議員が増えている。
また、国も「地元の同意は前提」としており、今回はそれを根拠に「区は地元の反対意見をきちんと都や国に伝えるべき」という視点で質問を行った。
生活者ネットとして10月末に東京都に聞き取りをしたところ、東京都の担当者からは「国の首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会がこれまで4回開かれており、第5回は未定だが、今度の協議会が決定の場になる」また、「国の協議会に合わせて開かれている部長級の幹事会がすでに15回開かれていて、都としては23区5市の意見の確認はできている」との発言があった。
そこでまず、この幹事会で区はどのような発言をしたか?を質した。
答弁は「これまで言っているとおり、まだ計画を知らない人がいることや更なる説明を求める人がいることから、さらにしっかりと説明と情報提供を求めている。また、説明会については教室型開催を求めている」とこれまで区議会で説明してきた以上の発言はしていないと確認。
次に肝心な「地元の同意」を取り上げ、区の姿勢質した。 「地元の同意」については、6月8日の都議会都市整備委員会で行われた都民から出された陳情の審議の場で、地元の理解を前提とするこの問題で、何を以て地元の同意を得られたと判断するのかについて、都の担当者は、「国の第5回協議会開催に先駆けて、関係区市の連絡会を開催し、関係区市の意見を取りまとめる」と答弁している。そして、「この連絡会はこれまで一度も開かれていないが、開くにあたっては、一か月程度の猶予は持って関係区市に連絡をする必要がある」と、都の担当者は認識しているということだ。
つまり、この連絡会で品川区が「地元の意見として何を言うか?」が大きな問題になる。「地元の同意」を前提とする計画であれば、品川区として「根強い反対意見が存在する」と発言すれば、それは「地元の同意」は得られていない、即ち計画は進められないことを意味するからだ。それを前提に以下のような質問をした。
Q:この連絡を品川区としてすでに受け取っているのか?
Q:ここで「関係区市の意見を取りまとめる」ということだが、ここで発言すべき内容を区はどのように 決定していくのか?
Q:「未だ地元での同意は得られていない」「根強い反対の声がある」ということをきちんというべきと考えるが見解を。
Q:また、この連絡会での発言について、議会や区民が検証できるように、品川区の公文書として残し、かつ適正に管理したうえで公開すべきと考えるが如何?
応えはそれぞれ次の通りだ。
A:連絡はまだ受けていない。
A:連絡会の開催は未定なので、発言内容もこれまでの基本的な意見以外は未定であり、発言内容をどのように決めていくかも未定。
A:意見については様々な意見があり、ことはこれまでも国に伝えてある。そのことをあえて連絡会でいうかどうかについては未定。
A:この連絡会は原則公開なので、発言は議事録として残り公開される。
発言内容の決定のプロセスについて、「発言内容によって決定のプロセスは変わる」という発言があり、発言内容が先に決まってそれから決定のプロセスと言われても納得し難いと再度質したが、「決定のプロセスは通常のルート」とやはり曖昧なままだった。
議事録についても、「発言録」でない以上本当に品川区の発言が全部記載されるかは不明であり、その辺も再度質問し「区としての意見が反映されていなければ修正を求めていく」という答弁は得たものの、品川区としての発言録を作るつもりはないようだ。
生活者ネットワークとしては、とにかくこの「関係区市の意見を取りまとめる」都の連絡会で品川区に勝手な発言をさせない、ここでしっかり「品川区には根強い反対意見がある」という発言をさせることが必要と考えている。発言内容について、区民はしっかり監視していることを認識させ、何とか「新ルート計画の前提となる地元の同意はない」という事実を明らかにできるよう、思いを同じくする人たちとの運動を強めていきたい。(よしだ・ゆみこ)