身を以てバリアフリーチェック~車いす貸し出し制度の巻

5月11日、大井町駅阪急前にて選挙のご報告駅頭を同僚の田中さやかと共に。車いすは返却できたものの、杖は未だ手放せませず。近くでイベントをしている方に「少しの間マイクを使わせていただきます」とご挨拶をしたら「前は車いすだったよね」と覚えていて下さった。

思いがけない骨折から2ヶ月が過ぎ、徐々に且つ順調に回復しているが、まだ元通りとは言い難く、生活の中でリハビリに取り組む毎日を過ごしている。これまでの生活は私に様々な気付きを与えてくれた。そこで気付いたことについて、いくつかご報告しておきたい。

5月7日 地域センターで借りていた車いすをほぼ期限通り無事に返却することができた。地域センターの車いすの貸し出し期限は原則として1か月。私の場合は突発的な怪我であり、近くの地域センターで車いすを借りることができて本当に助かった。そこでふと気になったことがある。

私が「地域センターでの車いす貸出」の制度を知っていたのは、夫の介護の経験による。癌で亡くなった夫は、闘病の末期に歩くことが困難になった。介護保険を活用して車いすを借りることを勧められたが、介護保険の手続きには結構な期間が必要なので、「その間は地域センターで車イスを貸してくれますよ」と教えてもらった。だから、そのことを知っていたのだが、この制度についての区民への周知はどうなっているのだろう?
そこで、品川ガイドにどのように案内があるかを調べてみた。目次では車いすという言葉は見当たらず、索引を調べたところ「車いすの貸与」という言葉を見つけた。「車いすの貸与」の後に「高齢者」と表記があり51ページに誘導している。急に車いすが必要になった高齢者以外の人が品川ガイドを調べた場合、ここであきらめてしまいそうな気がする。だが、高齢者のページの「車いすの貸与」のところを開いてみるとそこにはちゃんと「高齢者に限らず利用できます。」とあり、必要があれば私でも使えること、さらにはもっと若い人も使えることがわかる。
さらに地域センターのページを開いてみたが、こちらには車いすについては全く記載がない。

これらの記載の仕方はとても残念だ。せっかく提供しているサービスにはできるだけ多くの区民がアクセスできるようにしておくべきだし、その一つとしての品川ガイドへの記載は丁寧であるべきだ。
索引の車いすのあとについている「高齢者」の文字は不要だ。ページを開けば高齢者のページであることはわかるし、高齢者以外にも貸し出しはされるのだから。
また、地域センターの場所のページは開く人が多いのではないだろうか?その時に車いすのことを目にして、頭の片隅に留める人もいるのではないかと思う。自分や家族、近隣の人が急なけがや病気で車いすが必要になった時、そんな知識が役に立つのだ。

高齢者への車いすの貸与は、高齢者福祉課や社会福祉協議会でも行われているが、誰でも借りられるサービスは地域センターだけのようだ。私は、残念なことに(?)けがをした時点ではいわゆる高齢者のカテゴリーに入るには一才(正確には2ヶ月)足りなかったため、高齢者の制度は使えず、使えるのは地域センターの車いすだけだった。期間が短いという制約はあるが、私のように短期の利用で済む人や、介護制度の手続きが整うまでのつなぎとしては有効だ。そういうサービスがあるということは品川区としてもっとアピールすべきであり、品川ガイドへの記載は提案していきたいと思う。(よしだ・ゆみこ)