身を以てバリアフリーチェック~点字ブロックの巻

杖を使いながらゆっくり道を行けば、道端の花にも目が向く。紫陽花にはこの日の雨模様の空が似合ってとても美しく、思わず一枚。

車いすでの移動を余儀なくされていた時、視覚障がい者の方から尋ねられた。
「正直なところ、点字ブロックの上は走りにくいもんですかね?」
一瞬の躊躇いはあったが、「そうですね、かなりガタガタと身体に響きます。正直なところ
走りにくいですね…。」と答えた。
その方は私の答えに「やっぱりね…。」と応じた後、今は車いすやバギーが走りやすい誘導ブロックが開発されているそうだ、という情報をくださった。聞くところによれば見本が見られるところもあるらしい。

車いすが必要な人と点字ブロックが必要な人のニーズに相反するものがある、というのはバリアフリーのまちづくりを考える上で度々議論として浮上する問題だ。具体的な解決策提案へのヒントがあるならぜひ得たい。もう少し、体が回復したらぜひ見にいきたい。できたら、視覚障がいの方と車いす利用の方と一緒に行きたいと考えている。

実は同じ時期に解決へのヒントをもう一つ得た。
ちょっと話は変わるが、時々高齢のお母様のヨーロッパ旅行のお供をする親孝行な友人がいる。
日本から車いす持参で出かけ、現地でもそれを押すのが彼女の役割である。古い街並みを大切にするヨーロッパの街は石畳の道も多く、彼女はなるべく車いすがガタガタしない道を選ぶべく大変苦心をするという。「旅行と言っても私は観光はしていない。道しか見ていないもの。」といつもぼやくことしきりである。

今回、私の選挙応援に来て車イスを押してくれながら再びその話になった。
すると、それを聞いていた別の友人が「そうね、ヨーロッパは石畳も多いから、だからあちらの車いすやベビーバギーは車輪が太いわよね」と言ったのだ。

なるほど、その手もあるか!

友人の話だけなので諸外国での実態はわからないが、そう思って気を付けて見ていると、電動車いすの中にはかなりタイヤの太いものも見かける。解決を車いすの方だけに求めるのはいかがかと思うが、点字ブロックと車いすの共存の方法は複数ありそうだ。

他にも、建物から歩道を越えて車道に自動車を出すために歩道につけられたスロープや歩道に駐輪された自転車など、車いす目線で見るとバリアーはたくさんある。
しかし、別の目線で見ればそれを必要とする人もたくさんいる。
これを機会に改めて様々な人の参加を募って歩道のバリアフリーチェックを行い、有効な政策提案につなげていきたい。(よしだ・ゆみこ)