大深度地下工事に関する国交省交渉~6月8日 JR東海リニア中央新幹線説明会を受けて~

去る8月4日、参議院議員会館で行われた国交省との交渉に参加した。交渉の趣旨は、6月8日のJR東海のリニア新幹線シールド工事の説明会での説明内容について、国交省の見解を確認することだ。事前に提出した質問に対し、国交省の担当者が答える、という形で進行した。
まず、冒頭の質疑で仰天した。その質問は「外環道は、法に基づき大深度地下使用を国から許可されている。今回の外環道の陥没事故は、大深度地下の認可は、安全を担保していないことを意味するのでは?」という趣旨だった。それに対する答えは「大深度地下法は土地収用法の特別措置法で、地権者が通常使用しない大深度地下の権利調整のための法。工事の安全性は直接担保しない。」というものだった。私は、 使用を認めるのは少なくとも国としては「使用しても安全」と判断したことを意味すると思っていたのだ。
また、「ボーリング調査は安全確保のためにどのような役割を担っているか?調査をすることで何の安全を担保しているのか?」という質問に対しては「ボーリング調査は使用権設定のために行うもの」という答え。環境影響評価はあくまで事業実施前の手続きとして必要だから行うもの、という説明。
いずれも、私には「どれも手続き上必要だから実施しているが安全の担保とは別問題」と聞こえた。

大深度地下法は大深度地下を利用したいものが利用できるように作られた法であり、地上に暮らす人の安全は一切担保しないということだ。
誰も安全を保障しない工事には反対するしかないということを改めて確信した。(よしだ・ゆみこ)