2016年度予算特別委員会報告① 2015年度最終補正予算に反対!
2月17日に始まった2016年の品川区第一回定例議会は、3月23日に最終本会議を終え、終了した。
第一回の定例議会では常任委員会や特別委員会のほかに予算特別委員会が行われ、そこでは2016年度の予算案が示され、議員からの質問に行政が答えるという形で審議が行われる。委員会は「歳入」「民生費」「土木費」…などの項目別に7日間にわたって開かれる。予算特別委員会での審議についての何点かをこれから順次ご報告をしていきたい。
最初にご報告したいのは「2015年度最終補正予算案」の審議について。
生活者ネットワークはこれに反対した。反対の理由は「文化・スポーツ振興基金」へ30億円を一気に積み立てる、という案にどうしても納得ができなかった、すなわち納得のいく理事者答弁は得られなかったからだ。
文化スポーツ振興基金は今議会に創設が提案された新設の基金である。この基金の趣旨は理解でき、基金創設には生活者ネットワークとしても賛成した。しかし、何故そこに一気に30億円なのか?
この点については「東京オリンピック・パラリンピックまでに一年に5億円程度は必要と考え、財政に余裕があるときに積み上げる」ということだ。これではなぜ2020年までの分を「一気に」積み上げるのか?という問いの答えにはなっていない。
誰もが品川区にとって喫緊の課題と考えるに違いない待機児対策や顕在化してきた子どもの貧困対策への基金創設はなく、それについては「これら区としてどうしてもやらなければならない施策は一般財源で行う」とのこと…ということは、つまり「文化スポーツ振興」は「区としてどうしてもやらねばならない施策」ではないので、「財政に余裕があるときに基金を積む」ということか?やっぱり、一度に30億円も積み上げる理由にはなっていない。
因って、最終補正予算案には反対した。しかし、生活者ネットワークと共産党以外は賛成したため、原案通り決まってしまった。
文化スポーツ振興基金に充てた金額のうち、せめて3分の1でも次年度の一般財源に繰り越して、待機児対策や福祉施策に充てられたらと思うのが普通の感覚ではないか。
地方財政法では、自治体の会計で、年度末決算予測で余剰金の見込みがあった場合、余剰金見込みの半分を超える額は積み立てることが決まっている。従って「余剰金のすべてを次年度の一般財源に繰り越して喫緊の課題に充てよ」ということは言えない、ということは分かっている。実は30億円のことに踏み込む前に、まずは積立金に回す額全体が適正なのかどうかを判断したくて、「2015年度決算でどれくらい余剰金を見込むのか?」を訊いたのだが委員会では答えが無かった。その場で答弁漏れを指摘できなかったので、後から担当者にヒアリングをしたのだが「最終決算はまだなので、算定は難しい」と言う。「ではどうやって『この額が余剰金見込の半分を超える』と判断したのか?」については「これまでの実績から『これくらい積めば間違いなく半分を超える』と判断できる」とのこと。つまり、もしかするとこの積立金の総額は「余剰金見込み額の半分を大きく超え、全額に近い」可能性もあるということか? それが判明するのは10月の決算特別委員会を待たねばならないということか? それでは予算審議の意味がないではないか! と歯噛みをする思いだった。
出来る限りの準備はして臨んだつもりだったが、私の質問技術の未熟さとやはり質問時間の短さを痛切に感じた予算特別委員会初日となってしまった。