目黒川がきれいになることを願って~今年も水質調査を実施しました!

水をくみ上げて、まずみんなでにおいをかい水温を計測して…。興味津々で温度計を覗き込む子どもたち。調査に参加した子たちが環境問題に関心を持つ大人になってくれることを願って今年もにぎやかに楽しく調査活動を行った。

品川・生活クラブ運動グループ地域協議会は毎年継続して目黒川の水質調査を行っている。今年は7月9日に実施、品川・生活者ネットワークとして私吉田ゆみこと田中さやかが参加した。

午前10時に森永橋に集合。梅雨明け前だったので、天候を心配したが晴天!熱中症に気をつけながらの調査活動となった。参加者はおとな8人子ども7人の総勢15人。初めての参加者もあり、子どもたちの参加も多かったので最初に調査活動の意味と手順を一通り説明して、いざ調査開始。

森永橋から紐をつけたバケツを下げて水をくみ上げ、水温を計り、皆でにおいを嗅いでみる。それから、簡易キットを使ってCOD(化学的酸素要求量)のほかリンと3種の形の窒素について計測した。次に移動して東海橋へ。そこで同じ手順で調査を行った。最後にこの日の調査結果を、簡易キットに添付されている資料と照らし合わせたところ、「下水が流れ込む都会の河川の下流」と同等の水質という評価だった。

この日の目黒川はいつもより黄色く、浮遊物もたくさんあった。においもきつい、というのが参加者の感想だった。驚いたのは途中で「POLICE」という船が上流に向けて遡っていった時のことだ。その船が通ったあとの軌跡の水が白く濁り、硫黄のようなにおいを強く感じた。

以前にもご報告している通り(ご報告はこちら)、23区の下水道は合流式だ。汚水も雨水も同じ下水道に流れ込み、下水道を溢れさせないために、一定量を超えると河川に下水道の水が汚水ごと流れ込む仕組みだ。昨今のように集中豪雨が多ければ、その分下水道の水が河川に流れ込む割合も増えることになる。つまり、目黒川は調査結果に出たとおり「下水が流れ込む」川なのだ。

後日、河川下水道課に問い合わせたところ、やはり合流式の下水道の影響で雨が続くと下水からの越流がふえてしまう、浮遊物が多かったのはそのためではないか、また夏場は水温が上がり河川に沈殿している様々な物質の化学変化の影響か、川の色が変化したり、硫黄臭が感じられることがある、ということだった。また、浚渫については川の中央部は東京都に要望を出して不定期に行われており、川岸に近い方は毎年少しずつ区として予算をつけているという。

目黒川周辺に暮らす人のみならず、品川区民にとって目黒川の水はきれいであってほしいはずだ。まして、品川区は目黒川を観光名所としてアピールしている。水質の改善は誰もが願っている。しかし、本質的な解決策は浚渫などの対症療法ではないと主張したい。以前のご報告のとおり、品川区は東京都と連携しての合流改善事業のみならず、雨水を地面に浸透させて下水への負荷を減らすための施策を実施している。しかし、区民へのアピールが大変弱く、目黒川の浄化を願う区民に対してもその施策の意義が伝わっていない。周囲に暮らす私たちがなるべく余計な汚れを下水に流さない、雨水を下水に流さないで地面に浸透させる、という努力を少しずつ拡げて行けば少しでも目黒川をきれいにすることができるのだ。

また、品川区は相変わらず大規模な再開発を推進し、高層のマンションやビジネスビル・商業施設が増えている。目黒川はこれらの施設で暮らしたり仕事をする人たちにとっても大切な財産であるはず。区は再開発を進めるなら、そこに参入してくる事業者に対してもっと強く水質浄化につながる施策への協力を求めるべきだ。

品川・生活者ネットワークはこれからも目黒川の水質改善施策の推進を区へ要請するとともに、市民参加による調査活動を続けながら市民としてもこの施策へ参加して行くことを広く呼び掛けていきたい。