今年も参加しました!「しながわ平和のための戦争展」

民青品川支部の関口さんから辺野古・大浦湾でのフィールドワークの報告。

今回で40回目を迎えた平和のための戦争展。
大井町イトーヨーカドー8Fでの4日間(8/22~25)さまざまな催しが開かれ、私たちは24日(土)に参加してきました。
例年の平和のための戦争展では、展示物を見学することに留まっていましたが、この日は、辺野古問題についての若者たちによる沖縄でのフィールドワークの報告と、立正大学名誉教授である金子勝氏の講演を聴きました。

金子勝さん(立正大学名誉教授)の講演。

金子氏は現在私たちの目の前の大きな戦争、「ウクライナ侵略戦争」と「ガザ・ジェノサイド攻撃」からお話を始められました。そして「ウクライナ侵略戦争」でも「ガザ・ジェノサイド攻撃」でも主張されているのは「自分たちは自衛戦争を行っている。」という言い分であると指摘されました。
実は、1928年にフランスのパリで調印された「戦争放棄に関する条約」では締約に当たって「放棄する戦争」の中に、自衛戦争は含まれないという合意が形成されたこと、1945年6月26日に調印された「国際連合憲章」でも、第51条で「自衛権を限定的に容認」していることも指摘されました。つまり、このままではすべての戦争は「自衛」を名分として始められ、結果として戦争はなくならないことになります。
一方で、日本国憲法の9条は「戦力を保持しない」「交戦権を認めない」と明記していることから、個別的自衛権も、集団的自衛権も放棄しています。

そして、21世紀は、「不戦条約と国際連合憲章によって違法とされた『侵略戦争』に併せて『自衛戦争』も含めた武力による威嚇及び武力の行使が違法とされる時代である。そして戦争を仕掛けた国が結局は(国際社会で違法行為をした国として糾弾されて)敗北をするという時代である」と論を展開され、「すべての紛争を『対話』で解決するという『自衛戦争を違法とする国際法』の制定が可能となる時代であり、憲法9条を持つ日本こそが、国際社会の中でそれを主張すべきである。」と力説されました。

この日、この会場に来ている人たちは間違いなく全員が「本当に、『自衛』を旗印に掲げながら『侵略』をする国が世界中から糾弾され『敗北』する社会、対立はすべて対話で解決する社会になってほしい」と心から願っていたに違いありません。しかし、一方で「本当に実現可能なのだろうか?」「第二次世界大戦の総括もできていない日本がそれを主張しても世界は耳を傾けてくれるのだろうか・・・?」と思う方もおられたと思います。現にそういう趣旨の質問をされた方もおられました。

しかし、ここで私たちがあきらめてしまっては、子どもたち、若者たちに託す未来はなくなります。
あきらめない・・・。
金子勝氏が、ここまで発信を続けてこられたように、私たちなりに行動する・声を上げることをやめない、続けることしかないと思います。
自分たちは住んでいないから、他国の戦争だから、ということではなく、すべては私たちの暮らし・いのちに直結しているということを改めて確認する機会となりました。(よしだ・ゆみこ)