品川区の大深度地下で、3つのシールド工事によるトンネルが交差!

急な呼びかけにもかかわらず、部屋の定員いっぱいの参加があった。写真正面が吉田ゆみこ。

リニア市民ネット東京からの呼びかけで、品川区・大田区でリニア中央新幹線に反対の活動をする人たちが集まり、情報共有をする会が開催された。そこに品川・生活者ネットワークも参加した。
品川駅を起点としたリニア中央新幹線は品川区内の地下を通る。地下40メートルを巨大なシールドマシンによって掘削されるのだが、品川区の地下にはすでに開通している「中央環状品川線」に加えて、「第二戸越幹線の下水管」の工事が進んでいる。その事実だけでも、陥没事故などの不安があるが、それら巨大な構造物が区内の地下で交差するところが3ヵ所あるのだ。
河川下水道課に依頼して、その3つのシールドトンネルが交差する場所とそのトンネル同士がどれくらい離れて交差するのかが分かる資料をだしてもらい、会議の参加者にも提供した。
三ツ木通り(2023年には三ツ木保育園が戻ってくる予定の場所付近)と、西品川1-1と1-7の境目付近ではリニア中央新幹線と第二戸越幹線が交差する。そして北品川3丁目と広町1丁目の境付近ではリニア中央新幹線、首都高品川線、第二戸越幹線の3つが交差する。
シールド工事については、2020年の6月には相鉄・東急直通線の新横浜トンネルで12日と30日の2度にわたって陥没事故が起きた。また同年10月18日には調布市の東京外かく環状道路本線トンネル工事現場付近の市道等で陥没が発生したことは大きく報道され、その後の調査で相次いで発見されたトンネル工事現場付近の空洞もシールド工事への不安を高めることになった。立て続けの事故であり、多くの人たちが不安を抱くのは当然であろう。
構造物へのシールド掘削の振動影響が気になるところだが、JR東海の説明会資料によれば、目黒川変電所など4カ所の振動影響調査は予定されているものの、中央環状品川線は除外されている。なぜ、調査対象としないのか、大変疑問である。
品川区としても、区民の安全や利益を守るという基礎的自治体の役割と責任を果たすためにも、国やJR東海にしっかり説明を求め、責任を追及するべきと考える。
また、昨年10月に北品川4丁目の北品川非常口の立坑からシールドマシンによる調査掘削が開始したが、今年3月中旬に計画の6分の1に当たる50メートルまで掘進して工事が止まっているのも不可解だ。様々な疑問や課題について、JR東海、品川区、東京都に質問状を共同で出すということが会議の中で確認できた。
併せて、私、吉田ゆみこは6月23日から始まる品川区議会第二回定例会の一般質問の中でこの問題を取り上げた。

区の答弁はまるで他人事のようで、あくまでJR東海に対し、トンネルの交差部分も含めて工事の安全確保を求めるという態度に終始した。責任はJR東海にあるのは確かだが、例えばリニアのシールド掘削振動影響調査の対象に中央環状品川線を含めるよう要求することや、今後JR東海が、行う予定の住民向け説明会にシールド工事によるトンネルが交差すること、その安全性確保の方策などを入れることを要求することなどは行うべきだ。

少なくとも品川区は区民の立場に立って、区民の要求をJR東海にしっかり突きつける責任はあるはずだ。今後も粘り強く主張していきたい。(よしだ・ゆみこ)