議会こそが「討議制民主主義」の体現の場でなければならないのに!! 品川区議会傍聴で思うこと 

品川区議会を傍聴して思うこと  

1212日、品川生活者ネットワーク区議会議員、井上八重子の一般質問を傍聴しました(質問項目については、井上八重子のHPをご覧ください)。 

 

運動グループ主催の「ピアふぇすた2014」で、アピールする吉田ゆみこ。2014年12月6日、世田谷区で

区長をはじめとする行政側の答弁は、何やら「質問のポイントから、ことさら、少しずつはずされている」ように感じるものでした。例えば学校でのいじめ防止対策、いじめ防止条例について。質問項目中の、「…子どもの権利条約を基本とした人権教育の実践、重大事態に対応する調査機関の第三者性を担保することを前提に、調査メンバーには人権擁護の専門家を入れることを要望する。区の見解は?」という項目に対し、答弁は、あくまで「学校でのことを一番把握しているのは校長である…」ことを前提とし、そこに任せるという姿勢を崩さないものでした。でも、その現状に課題があるから現にいじめが起きている、そこへの施策を質問しているのに……。最も重要なのは、自他ともにかけがえのない権利の主体であると知ること。一人ひとりの子どもの自尊感情を育み、支えるおとな社会の決意であり、意識転換、責務こそが語られなければならないのにと、踏み込んだやり取りを避けて通るような行政の答弁体質に、納得のできない心が残りました。

 

戦争をさせない1000人委員会のメンバーとともに、「集団的自衛権いる? いらない?」のシール投票アンケートを実施。中央、吉田ゆみこ、その左は現職品川区議会議員の井上八重子。大井町駅前で

さらに腹立たしかったのは、井上議員の再質問に対し、他の議員がざわつき、「長いよ…まだかよ…」などの意の野次が飛び交ったこと。再質問の中味についてならまだしも、議会運営に何ら抵触していない、再質問が少し長いことについての野次でした。特に時間制限があるわけではなく、それほど長々と話したわけでもありません。上述のようにポイントがずれているような答弁なわけですから、再質問は議員としての当然の権利であり、むしろ、真っ当な義務的行為です。行政側の答弁が曖昧で、ポイントを外せば外すほど再質問も長くなるのが当然です。 

残念なことに、そもそも品川区議会の中で再質問に立つのは生活者ネットワ-クの他にはあと一会派くらいなのが現状…。そんな中で再質問をする私たちのことが「うっとおしいのよね、きっと…」というのは、私たちの勝手な感想ですが、基礎自治体として成立している多摩地域や自治基本条例・議会基本条例などが整備されている自治体議会では、議場こそが市民の意思を調整し施策を導く討論の場であり、質問制限などきいたことがありません。 

自治基本条例に関する質問項目の答弁の中では「区民が主体的にまちづくりに参加できるためのしくみを整えるに当たり、議会の権能との関係など、様々な論点の整理が必要」という2010年の濱野区長の発言が繰り返されていました。議会での質問や再質問は「議会の権能」の中でも、とても重要なものではありませんか? その権能の行使に対して野次が飛ぶ品川区議会!? 議会こそが「討議制民主主義」の体現の場でなければならないのに!! 通り一遍な答弁も困ったものですが、議員の方にも課題は山積のようです。

「大事なことは市民が決める」市民自治は私、吉田ゆみこの政策の支柱です。この議会にどうやって切り込むんだ?! でも、だからこそ議会を変えなきゃあ!! 区政にチャレンジする私が背負うものの重さを改めて自覚した議会傍聴でした。<よしだ・ゆみこ>