すべてのゲノム編集食品の規制と表示を求めます!!

学習会での質疑応答の様子。正面が講師の西分さん。吉田ゆみこ(画面左側)が進行をつとめた。

8月27日、品川・生活者ネットワーク主催で「ゲノム編集食品と食の安心安全」と題する学習会を開いた。
品川・生活者ネットワークは、「すべてのゲノム編集食品の規制と表示を求める100万人国会署名活動」に取り組んでいるが、この運動を社会に広げていくには、私たちがこの問題について理解し、社会に訴える言葉を持たなくてはならない。そのための、ゲノム編集食品について基本的なことを学ぶ学習会だ。講師にお招きしたのは「たねと食とひと@フォーラム」事務局長の西分千秋さん。

「ゲノム編集」された食品が、今にも市場に流通しようとしている。国内ではすでに肉厚のマダイや血圧の上昇を抑える成分が多いトマトなどが開発され、厚生労働省は、ゲノム編集で開発した一部の食品は「自然界でも起こりうる変化」「従来の品種改良と区別できない」として、安全審査の対象外とする方針だ。また、表示義務も課さない見通しだ。表示なく流通すれば、消費者は選択することもできない。

ゲノム編集食品とはどういうものかを学ぶ学習会にも参加したことがあり、それはそれで大変興味深く、一人でも多くの人にこの問題について広げていきたいと強く思ったのだが、一方で技術的・専門的なことでは広く社会全体に訴えていくのは難しいと感じた。そこで西分さんには消費者の視点から、この食品にどんな問題点があり、その問題に対してどのように考えていくべきなのか、というお話をしていただいた。
ゲノム編集食品は「流通ありき」の拙速な議論で安全については実質的な議論がほとんど行われておらず、有識者による検討会というのも「有識者」の中にこの分野の専門家がいなかったという。初めて市場に流通し人間が初めて口にする食べ物をそんな薄弱な根拠で安全審査の対象から外し、表示を義務付けないなどあってはならないと危機感を覚えた。やはり流通には何らかの規制と表示は最低限の条件だ。
消費者が「食の安全」と「選ぶ権利」を求めるのは当然の権利であり、国はそれを保障する制度を作るべきということを堂々と主張すればよいのだと確信した。また、不充分な表示であっても遺伝子組み換え食品に課せられた表示義務は、推進する側には実は失敗だったということも分かり、改めて「表示」を強く訴えていかねばと思った。

学習会後、すぐに大井町駅イトーヨーカドー前に移動し、獲得したばかりの言葉で街ゆく人署名への協力を訴える街頭宣伝活動を行った。学習会参加者の協力も得て少しの間に15筆の署名が集まった。(よしだ・ゆみこ)