石けんの成分はPRTR制度第一種指定成分にならず!~市民の声はちからです。~

せっけん運動ネットワークは、毎年7月を「シャボン玉月間」と定め、自治体の首長にせっけん運動へのメッセージを依頼する活動を行っている。活動の趣旨はメッセージを依頼することで、自治体に対して、区内の学校や保育園の給食室やトイレでは、PRTR制度によって度によって有害物質と指定された成分を含む合成洗剤ではなく、石けん利用を促すことにある。生活者ネットワークは、この活動の趣旨に賛同して、自治体と環境活動を行う市民をつなぎ、協議の場を設定する役割を毎年担っている。今年も、石けん運動ネットワークに参加する市民(左)からメッセージ依頼文を環境課長と河川下水道課長へ手渡し、後日区長からメッセージが届けられた。
写真はせっけん運動ネットワークで活動する区民と環境課長・河川下水道課長が協議する様子。

2020年、石けんの主成分である脂肪酸カリウムと脂肪酸ナトリウムが、化管法のPRTR制度の第一種指定成分の候補に挙げられたというニュースが、石けん運動を進める様々な団体の間を駆け巡った。
2008年にも同様のことがあり、多くの団体や個人が「第一種指定成分に指定すべきではない」という趣旨のパブリックコメントを提出し、指定を阻止した経緯がある。

今回もまた、多くの団体と個人がパブリックコメントを提出した。その多くが指定に反対する意見だったという。改めて文献調査が行なわれ、10月15日「化管法施行令の一部を改正する政令」の閣議決定で、石けん成分は第一種指定成分には指定されないことになった。
この結果は市民運動の力の結果でもあり、当然の判断だと評価したい。しかし、懸念は残る。例えば、パブリックコメントに対する国の回答の中には、「脂肪酸ナトリウムとカリウムには、化管法対象物質の対象外となる『半減期が1 日以下』に該当する可能性があり、指定の是非について引き続き検討を行うため、今回の政令改正では指定を行わない」という文言があるのだ。つまり検討は続くということだ。
石けんの優れた点は、環境中に出たときの半減期が短いだけではない。今後も市民ひとりひとりが石けんの合成洗剤に対する優位性について学びを深め、社会に対してアピールしていくことが必要だ。(よしだ・ゆみこ)

パブリックコメントへの回答の詳細はこちらをクリックしてください。表にある「結果概要」をクリック。上記の本文で取り上げた国の回答については、「別紙」の「2.個別物質に係るご意見」の1ページ目に記載されています。