「地元は理解」していない!区議会全会一致決議は無視!?

羽田新ルート計画について、「区議会全会派決議に沿った発言」を求める申し入れを行う3会派と無所属議員。区長(左から2人目、副区長(左端)に文書を手渡す。右から3人目が吉田ゆみこ

7月30日  この日の午後に設定された「羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会」に先立ち、午前中に区長、副区長、都市環境部長に対して、生活者ネットと共産党、品川改革連合の3会派と無所属議員数名が文書を以て申し入れを行った。

申し入れの内容は、とにかく連絡会では品川区議会全会一致の決議内容に沿った発言をしてほしいということに尽きる。すなわち「品川区上空を低高度で飛行する新飛行ルート案を容認することはできない。」という決議に沿った発言ということだ。この決議を全会派で一致できたということはまさに「品川区民は同意していない」ということを表していることに他ならないからだ。
文書を手渡した後に意見交換を行ったが、私からは「地元の同意」とは区民の意見、区議会の意見であるべきこと、音を頼りの視覚障がい者にとっては直接命にかかわる問題であること、一方で聴覚障がい者にとっては絶え間ない振動を感じ続けることになり「聞こえないから騒音は関係ない」という認識は誤りであるという声が届いていることなどを伝えた。

8月6日 上記の申し入れの結果、連絡会で副区長はどのような発言を行ったのか確認する必要があるとして、申し入れに参加した議員が合同で再びアポイントメントをとった。この日、副区長は都合がつかず、連絡会に同席した都市環境部長と、都市計画課長からの聞き取りだった。

先日の申し入れにもかかわらず、区として「この新ルート計画は容認しない」という明確な発言はしなかったという。

会の進行の中で「容認するのかしないのか」という発言を求められたわけでもなく、品川区としても「容認した」とは言っていない、というのだがこの期に及んで明確に「容認できない」と言わなければ「容認した」と解釈されても致し方ない。現に、この連絡会を受けて国土交通省は8月7日に協議会を開き、8月8日には国土交通省は「地元の理解を得た」として新飛行ルートの運用を来年3月に始めると発表。新聞各社も一斉に報道した。

8月9日、この事態に対して、合同で申入れを行った議員が集まり、今後区議会議員としてとるべき行動について話し合いを持った。地元は決して同意はしていない!この厳然たる事実を広くアピールするしなければならない。その手段について模索した。今後の活動については改めてご報告する。

このまま新ルート計画が実施され、もし万が一にも何かが起こったら、区議会としても区民に対して大きな負の責任を負うことになる。これからも計画撤回に向けて粘り強く活動を続けていきたい。(よしだ・ゆみこ)